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薩摩切子の色の話

本日は薩摩切子の魅力の一つである『色』について、お話したいと思います。

その種類は豊富で、単色の6色に加え、二色衣の3色と思無邪の3色があります。

今回はそのうちの単色6色についてご紹介します。

『紅(べに)』

紅色は、江戸時代『薩摩の紅ガラス』と呼ばれ、大変珍重されました。

赤色のガラスは大変難しく、数百回の試験を経て作り出されました。

銅を使って発色させたシックな赤色は、重厚感ただよう薩摩の誇る伝統の色です。

 

『藍(あい)』

藍色は、薩摩切子を代表する伝統の色です。

この深い藍色はインディゴブルーとして、海外のお客さまにも人気です。

サントリー美術館に収蔵されている『蝙蝠文船形鉢』もこの藍色です。

清々しくも凛とした雰囲気を醸しだしています。

 

『緑(みどり)』

色あざやかな緑色が人気の色です。

仙巌園の博物館『尚古集成館』に昔の作品が展示されていて、

これまでこの1点のみしか確認されていませんでしたが

近年新たに緑の小瓶が発見されました。

モダンな雰囲気が当時の人々の高い感性を感じさせてくれる色です。

 

『黄色(きいろ)』

こんなに澄んでいて鮮やかなクリスタルガラスは珍しく、

発色や色の管理にも経験が必要な、大変難しい色です。

当時のものが発見されていないため、幻といわれる色の一つです。

職人が2年の歳月を掛け、苦労の末に完成したとても美しい黄色です。

『金赤(きんあか)』

金赤は、資料に記述が残っているものの、当時の品が発見されていません。

黄色と同じく幻の色です。

名前のとおり、純金を色ガラスの材料に使っていて、とても華やかな色です。

薩摩切子の中でも一番人気の高い色になっています。

『島津紫(しまづむらさき)』

薩摩切子の生みの親、島津斉彬は薩摩焼の紫釉を開発させるなど、

紫色にひとかたならぬ思いがあったようです。

そこで、新色の紫色に斉彬の夢を託す意味を込めて「島津紫」と名づけました。

金とコバルトを使用して透明度の極めて高い紫を作り出し、鮮やかで気品のある

紫色が誕生しました。

 

作品によって色の見え方や魅力は様々ですが、どれも大変美しい色です。

皆さまのお気に入りがこの中にあるでしょうか。

次回は二色衣の色について、書きたいと思います。

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